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緯度と経度の求め方(簡易版)

2018.08.10

 

Tableauには とても便利な『マップ』機能があります。地図上で都道府県ごとに集計して色を塗ったり、店舗の所在地を点で示したりすることができます。「車で10分圏内」のような到達範囲を出すことはできませんが、「半径5km圏内」の集計は簡単にできます。高価な地理情報システム(GIS)を導入する前に、まずはTableauでざっくり可視化してみてはいかがでしょうか。

さて、ここで「自社の支店をマップ上に出してみよう!」と思ったときに必要になるのが
緯度と経度の情報です。この記事ではその簡単な求め方を解説します。

※ここに記述する内容は「ほぼ合ってる」程度の精度です。厳密さが求められる場面では使えませんので自己責任でお願いします。測量事業などで厳密に正しい座標が必要な場合は、地理のプロフェッショナル(国土地理院や○ンリンさんとか)に相談しましょう。

まず、緯度と経度というのは地球上の位置を示す数値です。緯度は南北の方向、経度は東西の方向になります。メルカトル図法の地図(よく目にする平面の地図)でいうと、上下が緯度、左右が経度です。緯度は赤道をゼロ度として南北にそれぞれ90度、経度はグリニッジ子午線をゼロ度として東西にそれぞれ180度で示します。一般的には、緯度は北側がプラス符号で南側がマイナス符号、経度は西側がプラス符号で東側がマイナス符号になっています。

例えば、いくつかの都市を挙げてみると…

都市 緯度 経度
兵庫県明石市 約 34.6830062 約 134.9126012
ワシントン 約 38.8937091 約 -77.0846157
メルボルン 約 -37.9716929 約 144.7729584
サンパウロ 約 -23.6815315 約 -46.875482

こんな感じの数値になります。 ※1

ここからが本題で「この緯度と経度の数値をどうやって求めるのか?」ですが、実はGoogleマップを使うと簡単にこの情報が得られます。試しにGoogleマップで「兵庫県明石市」を検索してみましょう。そしてブラウザのアドレスバーを見てみると…

このアドレスの途中にある @ マークの後ろに、ご丁寧に緯度と経度が書かれています。これをコピペすればOK! 地名や建物名ではなく、住所で検索した場合でも同じようにアドレスの @ の直後に緯度と経度が表示されます。 ※2

あとは、このやり方で作ったリストをTableauに接続し、緯度と経度のフィールドをそれぞれ「地理的役割」に割り当てます。緯度を行に、経度を列に、店舗名などのディメンションをマークに入れると地図上に表示されます。

これで自社拠点がどんな地理的要因を持つか(例えば海沿いか内陸か)、あるいは顧客が特定の範囲に偏っていないかなどが見やすくなりますね。

ところで、「店舗が全国で1,000個以上あるんだけど、イチイチGoogleマップで検索してコピペするのは面倒」というときはどうしましょう? それはまた別のTIPSで取り上げたいと思います。

 


※1 厳密には、地球の扁平率などから成る測地系の話や10進数表記と60進数表記の話をしなければならないのですが、難しいのでここでは割愛します。

※2 これも厳密にはズームレベルの話やGoogleマップの仕様の話をしなければならないのですが、取り出した数値でだいたい合ってるので割愛。